作品
CV
1999年 兵庫県神戸市生まれ
2022年 多摩美術大学美術学部絵画科油画専攻 卒業
多摩美術大学大学院修士課程絵画専攻油画研究領域 在学
受賞歴
2019年 「第15回世界絵画大賞2019」入選
2022年 「長亭GALLERY展2022」入選
展覧会
2022年 個展「色素胞」、GALLERY b. TOKYO、 東京
「第45回 東京五美術大学連合卒業・修了制作展」国立新美術館、 東京
「第23回三井不動産商業マネージメント・オフィス・エクスビジョン」、三井不動産商業マネジメント株式会社、東京
「Emerging Artists 2022」、Gallery Q、東京
「長亭GALLERY展 2022」長亭GALLERY、東京
その他
「2022年度 多摩美術大学校友会奨学生」
ステートメント・PR
タイトル:「ポートレートポジション # lose yourself」(1枚目)「ポートレートポジション # 2」(2枚目)「ポートレートポジション # 3」(3枚目)
2023年制作
素材:パネルにアルミシート、フィルム、メディウム、アクリル絵の具、ラッカースプレー
偏光色のフィルムの裏表に施したペインティングとアルミシートの重ね張りにより、画面の色光が角度や環境により変化する効果や、視点の流動性と環境や観る人の映り込みがあり、視覚的に捉えがたい作品を制作している。
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コンセプト
色も形も画面の表裏も定まらないし、なにを描いても見え方が不安定な画面の中に溶け込んでしまう。
そんな制作は、自分なりに見つけて作り上げたものが何度も崩れたり自ら壊したりして、その度再構築する人間のあり方に重なる。
画面の配色をイメージして絵の具を乗せると乾いて別の色になり、 張り器でフィルムのシワを伸ばすと情報量が増減して、光の向きや場所が変わると奥行きが変わり、納得いかなくなって絵の具を引き剥がす。そもそも今向き合っているのは画面なのか、映っているこちら側なのか、何を軸に画面を構成していたのか、 目に映る何もかも…自分自身すら確からしくなくなっていく。
それでもこれまでの試行錯誤の痕跡と、常に映っているこちら側を頼りに今見えている現状を捉え直してみる。
不確かな状態に身を置くことは度々ものの必然性を揺らがし葛藤を生むが、この不安定な造形表現を通して向き合わざるを得ない自分を含めた現実世界を捉え直してみる度に、今自分がただここにいるという実感にかえってくる。
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作品詳細
2022年からこの特殊な色のフィルムとアルミシートの素材構成のペインティングを始め、2023年からの「ポートレートポジション」シリーズでは正面に立った時に見る人が作品に映り込むことで現実の自己と真正面から対峙する作品を主に制作している。それに対して折れ曲がった楕円型の「ポートレートポジション #lose yourself」は作品に歩み寄るときは画面に見る人が映り込むが、正面に立つと現実空間は映ったまま見る人自身の姿が映らなくなる。
また、同年から具象物の描写へも展開しているが、絵の具の透明度とフィルムの色変化の合わせで溶け込んでしまったり、絵の具のストロークの中に紛れ混んで意味も存在感も無くしてしまっている。
実行委員コメント
コロナを経て、作品を実物で鑑賞することの意義を改めて考えさせられる作品が増えた印象がありますが、湯浅さんの作品はまさに、作品の前に立って、体験を通して鑑賞する作品ですね。写真は、作品のたくさんある表情の一つの顔でしか無いでしょうから、ぜひ実物をみたいな、と思いました。web上でのプレゼンはなかなか難しいですが、動画や制作過程の投稿などは伝わりやすいので、自己PRの部分も強化していくとより良いと思います。