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作品
CV
略歴
1978、島根県松江市生まれ。Art Student League of New York、オランダのHanze University、Frank Mohr Instituteにて就学。ニューヨーク、 Matsuyama Studioのスタジオインターンを経て、2014年から日本で制作、発表活動。2019年以降、東京在住。
Background
2002 島根大学教育学部(専攻:教育心理学)
2006 Painting and sculpting, Art Student League of New York, US.
2008 島根大学教育学研究科(専攻:美術教育)
2010-13 Frank Mohr Institute, Graduate school of Hanze University(オランダ), Master of Fine Art 在籍
2018- 放送大学大学院文化科学研究科
修士論文:『20世紀後半欧米現代アートと禅の関係についての一考察 −禅思想の影響或いはその同時代性−』
近年の個展
2019 架空の風と赤い木, JINEN GALLERY, 東京都
2020 小西郁江個展, JINEN GALLERY, 東京都
2021 小西郁江個展, 365 Cafe Gallery, 西武渋谷, 東京都
2022 籠と泉(Cage and Lake), JINEN GALLERY, Tokyo
2023 空のうらがわ, ループハウス101, 島根県
近年のグループ展
2018 Connection, 村松邸 (国登録有形文化財), 島根県
2020 Path, GALLERY ART POINT, 東京都
2023 ヒメルゲビルデ-空の裏側-(Sonja Kannoとの二人展 )365 Cafe Gallery, 西武渋谷, 東京都
Prize
アクリルガッシュビエンナーレ 2016年 佳作
ステートメント・PR
ステートメント
自然と都市の相互関係や、東洋と西洋の文化的対話が、私の制作の契機である。また、制作における精神的基盤として禅の視点を参照している。二元論的な考え方に依らず、相互に依存する関係性や多様性を探求し、その枠組みを超えることで、新たな洞察やバランスの創造を試みる。
日用品/米袋を再利用した基底材に、材料、絵画の要素が溶け込み、その表面の質感に作用する。その過程で描かれる画像は、意図から離れ、またそこへ戻ることを断続的に繰り返す。それは、制作体験と日常体験が絡み合う過程であり、双方から導かれる意味や物語性へと自ずと向かっていく。
支持体の米袋は、伝統的な農耕文化や食に関わる日用品だ。そのような日用品から、新たな意味や物語性へと向かう・・・それにより、見る者が新たな視点、自己の解釈や個別の体験、さらには独自の物語へ向かうことを望む。
PR/現在の制作について
アートティストを志したきっかけは、30代でオランダの美術大学院へ留学したことです。この経験から、世界の舞台で作品を見て頂ける機会を模索しています。2013年に、約3年間の留学を経てオランダから帰国。その後、アメリカ、ニューヨークに渡り、日本人アーティストのスタジオインターンを経験。2014年から島根県松江市で、コンセプトを重視した制作・活動を続けました。2019年、自然豊かな島根県から東京に移住。それ以来、自然と都市の対比を中心テーマとしています。また2018年からは、国内大学院の修士課程にて、禅と現代美術をテーマにした修士論文を執筆。現代アートにおいて、禅思想が西洋社会と日本社会の特筆すべき接点であることを論じました。
自身の制作を、現代社会に対する反応であると捉えています。芸術は、言語になりえない思考や感情を形にする手段であり、制作を通じた社会との対話により、見る者の洞察を促すものです。
自然は、内なる平穏とつながりの感覚をもたらす源として捉えられ、都市では、個々の意識と集合的な意識が交錯します。自然の有機的な形態と都市の抽象的な構造を融合させることで、新たな生命力やバランス、同時に歪みへも意識を促したいのです。
イラストレーションを思わせる画像は、私にとっていくつかある手法の一つに過ぎません。また、このような手法を選んだ背景には、コロナ禍の自粛生活における他者との身体的断絶、それがもたらした友人や家族との精神的軋轢の影響が、少なからずあったことを付け加えます。
また、米袋という素材の持つ日常生活と関わる意味を考慮しつつ、アートのメディアとして再解釈を試みています。無作為に破かれた米袋の形状や感触を起点にし、描く画像を模索していく制作過程は、予測不可能性と創造性の両方への探求となります。破いた米袋を支持体とした絵画は、インスタレーションの要素としてもとらえられ、触覚的な体験及び視覚的なストーリーテリングを追求しています。
素材や偶発性を芸術の一部として取り入れ、マチエールを作り出すと同時に画像を描いていく過程により、固定観念に捕らわれない可能性を追求しています。制作過程における米袋の破れやしわ、アクリルメディウムを何度も重ねることによるテクスチャーの表出、その視覚的感触の変化に、素材との対話を見出し、それが制作を前進させるのです。
実行委員コメント
海外への龍岳経験を経て、松山智一さんのスタジオでインターン経験もあるというIkue Konishiさん、熱の入ったステイトメントをじっくり拝読させていただきました。アーティストページも見ましたが、掲載されている風景画もすばらしいのですが、より心象風景にフォーカスした壁画作品に強く惹かれました。このシリーズを原画で見てみたいです。機会があればお会いしてみたい作家さんです。