作品
CV
奈良県出身
陶磁器の表面を覆う釉薬は灰、石、金属を炎で溶かし化学反応をさせて表現している。
灰、すなわち有機物として燃えるもの全ては1150度を超えるとガラスになるという性質を持っている。ダンボールでさえガラスになるのだ。灰と石で基本的な透明の質感を構成して
金属で色や模様を表現することができる。
陶磁器の研究を進めるうちに、材料化学に興味を持ち、木、草、籾殻など調達した原料を燃やし、独自の金属の調合で風合いをだしている。
昨今は冷却還元焼成や還元焼成をアレンジした窯焚きで独自の方法と緻密な温度、時間管理を用いて釉薬の変化を引き出し制作している。
主な展示
2021「Relax」art house icone/大阪
2021「女流陶芸展」京都セラ美術館 / 京都
2022「その匙を緩める」 art house icone/大阪
2022 Hopstep Spring Gifts! 阪急梅田本店/大阪
2022 MY STYLING STORE 阪急梅田本店/大阪
2022「枕崎国際芸術賞展」 南溟館 / 鹿児島
2022「Osaka Independent」大阪府立江之子島文化美術創造センターenoco/大阪
2023「SICF24」 スパイラル/東京
2023「Osaka Independent」ART GALLERY UMEDA/大丸梅田11F/大阪
その他百貨店展示など
個展
2022「1190」 JITSUZAISEI gallery/大阪
2023 「幾度」 Gallery Blau katze/大阪
受賞歴
2020 第71回奈良県美術展覧会 入選
2021 第55回女流陶芸展 入選
2022 第3回枕崎国際芸術賞展 入選
ステートメント・PR
私は自分の頭の中のイメージや既存のなにかを写実的に表現することは
陶芸が持つ側面において、懐疑的である。土や灰と石が持つ記憶、意思、特徴と向き合いながら手の進むままに生み出される色や造形、テクスチャーに本質的な悦びを感じるのです。
今回の作品シリーズ、【幾度】は釉薬に着目した作品である。釉薬の並列性をお楽しみ下さい。
青のピースの釉薬は銅で青さを出している
ほかには透明感を出すため、薬にも使われるバリウムや
泡沫を出すためにシリコンガーバイト(炭化ケイ素)を配合している。
主な基礎釉薬は福島の長石と草の灰(ドクダミ)である。全てを冷却還元、または還元で窯焚きを行っている。よく見ると銅の釉薬裏の赤い色が見えるところがポイント
白いピースは真珠のような模様と質感を出すためにカラー剤にも使われるメタバナジン酸アンモニウムを配合
また白さを出すためにジルコン、ザリガニを燃やした灰を入れてマットな部分を作っている。
主な基礎釉薬は福島の長石と骨の灰、合成土灰である。白さを出すために緩く還元焼成をかけている。
実行委員コメント
陶芸というジャンルでありながら、器ではなく、釉薬そのものの持つ表現に着目した点にオリジナリティがありますね。試行錯誤を経て焼き上げた釉薬のピースをタイポロジー的に並べた作品にはミニマルアートを感じます。SNSリンクがなく、掲載作品だけというのがもったいない、出垣さんの活動をもう少し知りたいと思いました。