馬場喜三江

  • 彫刻
  • 立体

ウェブサイト

https://www.kimiebaba.com

作品

CV

1982年東京出身
2004年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2006年同大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了

個展

2006年個展 gallery SOL銀座
2007年個展 gallery SOL 銀座
2017年「Form」ART TRACE GALLERY 両国
2019年「或る、在る。」ART TRACE GALLERY 両国
2021年「描くをくむ」企画Gallery Pepin/柳沢画廊 埼玉、「白にもぐる/黒にうかぶ」ART TRACE GALLERY 両国
2022年「Sprout! vol.26 馬場喜三江」1110 CAFE BAKERY 川口
2023年「JOINT」企画 平岡美術/喫茶オーレ 八王子

グループ展

2008年「絵展5」 gallery SOL 銀座、「ART IN TAMAGAWA」   玉川高島屋
2011年「TRICO」 アートスペースムサシ 立川
2012年「TRICO vol.2」アートスペースムサシ 立川
2013年「TRICO vol.3」アートスペースムサシ 立川
2014年「TRICO vol.4」room103 国立
2015年YSC SPACE&CAFE  横浜
2017年「OPEN TIME」ART TRACE GALLERY 両国
2018年「3331Art Fair 2018」アーツ千代田3331、連動企画 「布置を描く」ART TRACE GALLERY 両国
2019年  セレクション展「moment vol.2」Gallery美の舎 根津
2020年「Take me to your home」ART TRACE GALLERY 両国、「arte viviendas」CASA DUCUARA コロンビア ボゴタ、「ONVO STUDIO EXHIBITION vol.2-for LIFE-」ONVO STUDIO INAMACHI 埼玉

ステートメント・PR

絵画における造形性をベースに制作を続けてきました。
絵という平面の中でかたちが在るということはどういうことなのか。他者が絵画の中の空間に存在を認識する、またはさせるということはどういうことなのか。
平面における絵画の構造を分解し再構築するようなイメージで紙の半立体を作り始めるようになりました。
作品は紙で紙を組んでいく、何層も重ねた積層構造になっています。
一枚の紙に溝を切って重ね、そこに何層も重ねた紙片を挟み込み、組んでいくような手法で作っています。

絵画面が他者とのインターフェイスだとしたら、そこにはちょっとした奥行きがあると考えていて、それを側面から物質的に構築できないだろうかと考えたのが、ホゾを差し込んで組んでいくきっかけとなりました。
絵画の側面をかたちづくるものとして格子状にしています。

作品を作るときはまず、挟み込む紙片を作るところから始まります。
1.5×2cm 程の紙を切ってそれを何枚も重ねたものが一つのホゾになっています。
本体の方は白い紙、黒い紙を順に重ねており、側面に表れているのは全て紙そのものの色です。
一つ一つのホゾは挟みこんでいるだけで、ひとつひとつ外せば本体もバラバラの紙になるような構造になっています。作品にもよりますが、大体40~50 枚ほど重なっています。
チェックの柄を選んでいるのは格子柄や縞というのは模様において根元的であり、どんな国でも昔からあるニュートラルなもの、個人的には記号化された抽象表現の根幹のようなイメージとして最近のモチーフによく使います。
かたちを次元として表すことが出来て、地と図の関係を強く打ち出せるものです。
表面はアクリルで転写した後に描いています。

私にとってホゾで組まれた構造は連続する絵画行為の可視化であり、視点を物質として繋ぎ止める骨子でもあります。
近作では構造そのものを図として表出させる試みに展開しています。

実行委員コメント

メタセコイア23展示へのご参加、ありがとうございました。エントリーの段階から、絵画と彫刻の中間をいく馬場さんのコンセプトは、審査員の間でも話題を集め、実際に作品を観てみたいという候補ナンバーワンでした。紙を何層にも重ね、組み合わされているオブジェは、しっかりと布の柔らかさや石の質感が表現されていて圧巻でした。まだまだ可能性のあるこのシリーズ、次回作がとても楽しみです。

佐藤由基孝 審査員コメント

平面/絵画の構造自体への挑戦が感じられ、一次審査から最も興味のあった作家さんでした。絵画を出発点に、物体そのものの「側面」や「厚み」を通して「絵画の奥行き」に着目させている点が興味深いです。規則性のある構造や単調なパターンを用いながら、視覚的にそれを安易に理解させない造形をしており、作品画像ではなく実物を拝見する必要性を感じます。コンセプトに裏打ちされた作品の強度がある一方で、作品自体からはスタイリッシュで軽やかな印象を受け、優れたバランス感覚やセンスも感じます。 THE blank GALLERYで展示して頂く際は、やはり複雑な構造を持ったギャラリー空間をどう料理し、作品と空間を調和させるのか、今からとても楽しみです。

寺田順三 審査員コメント

どうやって組み立てられてるのか、凄く興味があります。造形的にも素敵だし、WEB上で平面として観ても素敵です。ぜひ原画と対面したいと思いました。

服部滋樹 審査員コメント

平面的処理と立体的処理の交差をカタチにされていて、陰影のある姿に惹かれました。

吉田貴紀 審査員コメント

石:「在る」と「無い」のちょうど真ん中の心地よい作品だと感じました。視点によって作品の表情が変わり、近づけば何層も重ねた紙が見えてくるという作風も素晴らしかったです。

Translate »