作品
CV
略歴 Career
1987年 東京都生まれ。
2010年 筑波大学第二学群比較文化学類 卒業
2012年 多摩美術大学造形表現学部デザイン学科 入学
2014年 多摩美術大学造形表現学部デザイン学科 途中退学
2022年 7月 新宿眼科画廊 個展「傷だらけの幸福論」
2022年 9月 artpotluck ART FAIR出展
2022年 12月 ROOM_412 個展「光になりたい天使たち」
2023年 2月 代官山MONKEY GALLERYにて展示
2023年 4月 TEA GATE COFFEE併設T-Galleryにて個展「Handmadeheaven」
2023年 5月 Gallert TK2にてグループ展「ヒト展2」に出展
ステートメント・PR
私は、天使をモチーフに生きることそのものが持つエネルギーを描こうとしています。画材は主にアクリル絵の具を使ってデジタルと併用することで作品制作をしています。 トランスジェンダーという生い立ちや家庭環境などで10代のころ本当に生きていくことがつらい時、ただそこにあった水彩絵具で画用紙に絵を描くことでその行為自体に救われて、カタルシスのようなものがそこにはありました。それからブランクは空いてしまったのですが、その原体験をなぞるように制作を続けています。本当につらかったころの私の中での希望の象徴が天使だったので、今でも天使をモチーフに描いています。
デジタルとアナログを併用していることには2つ理由があります。1つ目としては、私が何気なく撮っている写真を合成してイラストと組み合わせるとこで、生きていることそのものがアートだということを表現するためです。それが生きていくことそのものがもつエネルギーを込めるという意味合いもあります。2つ目としては、レイヤーを重ねるデジタル表現をすることで独特の浮遊感が生まれ、それを鑑賞する方に、つらかった当時の私が感じていた溺れているような感覚に近い感覚を少しでも感じてもらいたいという思いがあります。また、デジタルにしか出せない色合いをだすためデジタル部分はRGBで出力をしています。
モチーフとしての天使は希望の象徴で概念としての天使であり、動物や静物を天使に見立てて描く作品も制作しております。私の作品は絶望を材料に作り出した希望であり、地獄を材料に作りだしたはりぼての天国です。生きることそのものが持つエネルギーを感じていただければと思います。
作家説明
Aki.Haku. は、天使をモチーフに日常の中で感受する
森羅万象のときめき、生きることそのものが持つエネルギーを余すことなく描く。
あどけない微笑みを浮かべる天使の表象は自らが抱えてきた葛藤を昇華する希望のシンボルで
あり、この世を寿ぐ讃歌を奏でる。
軽妙なパステルカラーで描かれる天使たちの傷だらけの心は、
独特なセンスと鮮やかな色彩によって、壊れないよう継ぎ合わされる。
東京美術学校にて工芸( 鋳金) の教授をつとめた香取秀真( かとりほつま) は
曽祖父にあたるが、彼の才能が彼女にも色濃く受け継がれている。
彼女は作品で自身の源体験を抽象化、共有することで、
今現在も陰鬱で抑圧的な渦中にいる他者の救いとなり得ることを望んでいる。
その表象はさながら地獄を材料に作り上げた手作りの天国であり、生きるエネルギーが形を変えた不揃いな希望である。
彼女の作品は、聞け! 天使達の歌 を、という類の仰々しいものではない。
吐息がかかるような距離で優しく讃美歌を語りかけるのだ。
実行委員コメント
天使をモチーフに、絵を描くことで、自らと向き合い、カタルシスを感じながらも自身のヒーリングにもなっているというAki.Hakuさん。カラフルな天使のモチーフの中に象徴的に描かれる白い天使の輪がアイコンになっています。