あめにし

私は睡眠周期の中にあるレム睡眠、ノンレム睡眠を舞台に、イラスト、アニメーション、造形作品でオリジナルの物語を制作しています。このテーマで制作している理由は私は昔から夢は見るものではなく、睡眠周期の浅い眠り･深い眠りの中に別の世界がありその場所へ行っているのではないかと考えているからです。

~作品タイトルと説明~
1枚目 ✵ ultradian rhythm ✵
人はレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返し行き来した後に目覚めるのですが、そのレム睡眠とノンレム睡眠を移動する手段として制作したものがこの睡眠列車になります。タイトルにあるultradian rhythm(ウルトラディアンリズム)とは睡眠周期を意味します。
~デザインについて~
夢の普段は交えないものが融合している、場面転換が激しい世界というイメージから、列車という一つの枠の中に沢山の要素を詰め込むことで夢を表現しています。車輪が時計になっていたり鍵盤の上にある楽譜も実際に演奏できるなど他にも隠し要素が沢山詰まった作品になっています。

2枚目 ✵ 眠りと夢屑の地図 ✵
この作品は私が想像する睡眠世界の世界地図でこの作品の中に私がこれまで制作してきた作品、これから登場する作品たちが詰まったものになっています。
~デザインについて~
睡眠周期の波形グラフを元に制作しました。
上半分がレム睡眠、下半分がノンレム睡眠になります。悪夢を見せる場所があったり、記憶整理をしてくれる場所があったりと実際の睡眠のメカニズムも交えたデザインになっています。

3枚目 ✵ NREM CINEMA ✵
ノンレム睡眠では嫌な記憶を消してくれる作用があり、そこから着想を得て物事の優劣をはかる天秤と思い出を閉じ込めるフィルムを組み合わせた記憶を見せる映画館を制作しました。
~デザインについて~
記憶をテーマにした映画館なので映写機が脳みそと融合させたデザインになっており、下段にはエーデルワイス、上段にはグラジオラスという花が咲いているのですがそれぞれの花言葉が大切な思い出、忘却という意味を持っています。

全体を通して私が制作で大切にしていることは、一目見たときの迫力、ストーリー性とデザインの意味付けにあります。
説明されなければ気づかないけれど、実は意味があったり、じっくり見てみると新しい発見があったり考察が深まる、そんな作品をこれからも作り続けたいです。このアートフェアをきっかけに、見てくださった皆様とちょっぴりダークでファンタジーな睡眠世界を旅することができたら嬉しく思います。