BOME

  • 絵画

作品

CV

1976年 大阪府生まれ
作家の経歴はありませんが、介護に携わっておりました。そして看取りも経験しました。
「死」を芸術と捉えるのは、あまりにも語弊があるかもしれませんが、徐々に息絶えていく人間の表情や身体の震えを目の前にすると、感情の波が大きくうねり、我を忘れ、まるで自分が小さな物質となり、二度と動けなくなってしまったかのような硬直した状態が続いていくのを経験しました。そんな中、ふとしたきっかけで昔から好きだった絵画を観るようになり、数年前に観たバスキア展や、あの巨大な絵画のミケルバルセロ展で経験した心の凄まじいい揺らぎは、何か「死」と通じる出来事でした。
絵を描く理由は、身体との闘いです。やがて朽ちゆくこの身を、指先に一点に込め、観る人の心に少しでも揺らぎを与えていきたいです。

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私の作品はオートポイエーシスに倣ったものです。
アリが巣を作るように制作しています。
目的はありません。主題もなく、意味もありません。
あるのは、生命の躍動です。一本の線が次の点を呼び寄せ、その一点が次の線を形作る。生きるとは、まさにそういうことなのではないか、と思っています。

実行委員コメント

アートと「死」とは永遠の命題であり、世界中のアーティストが向き合うテーマであると思います。BOMEさんは介護や看取りを経験されるなか、ただひたすらにちくちくと線を埋めていくことで自らの生命と対峙しておられるのですね。提出作品が3点とすくないのでこれからBOMEさんがどうなりたいのか、推し量ることはできませんが、ネットの画像作品からもその熱量を感じることができます。

久岡崇裕 審査員コメント

「絵を描く理由は、身体との闘いです。やがて朽ちゆくこの身を、指先に一点に込め、観る人の心に少しでも揺らぎを与えていきたいです。」 BOMEさんが書かれたこの言葉のように、圧倒的な密度で描かれた絵を前に自分自身も“揺らぎ”を覚え、オンラインだけでなく、ぜひ生の絵を見てみたいと思いました。 作家として生きてこられたわけではなく、介護の仕事をとおして生まれた体験・体感が絵に力を与えているところにも惹かれました。

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