作品
CV
物心ついた時から何か作っていないと落ち着かない子供だった。
小学1年生:人生初めて絵の具セットを手にいれ、たった12色で無限に色を作れる事に感動し、図工の本題そっちのけで色作りに没頭。
【結果】学校が出したコンクールに入賞し東京都美術館に絵を飾られる。
小学生低学年:この世には美術を学べる大学があると知り親に行きたいと言ってみる。
『美大は賢くないと入れないから、あなたじゃ無理』と言われ美大進学を諦める。
中学生1年生:図工から美術になりアートの表現の自由と面白さに感動。
美術の授業では、毎回の課題の範囲内で自分を表現していたつもりでいたが、
先生から『お前はもっと現実を見ろ』と言われ、自分を表現する事を封印。
進学:美容専門学校
卒業後:美容師として働く(東京&カナダ(トロント))
美容師時代:統合失調症・うつ・パニック障害を発症
2012年:発達障害ADHDの診断を受ける。
これまで生きてきて感じていた違和感の謎が解けて、そこから自分自身と向き合う。
2022年:診断から10年経ち若い頃感じていた生きづらさも大分少なくなった頃
偶然的に自身の認識できる視野が通常の大人より狭い事に気がつく。
(ADHDの人にある特性の一つ(ADHDの人全てがそうではない))
そこから自分の見ている世界や思いを絵で表現したくて、絵を描き始める。
2023年:6月 M.A.D.S Art Gallery [CENSORED]参加(イタリア・スペイン・メタバース同時開催)
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【左】『Strawberry Milk or Au Lait?』
[コンビニで並ぶ『苺ミルク』と『いちごオレ』を見て。
日本は多種多様な国由来の色々な物に囲まれていて寛大な国だけど選択に困るな。]
H35cm:W24.8cm
紙、ボールペン、クレヨン、筆ペン(白)
【中央】『Summer Water Fun』
[昔の自分も含め、子供は公園の水遊び場だってビニールプールだって気軽に入って、大はしゃぎで遊べるのに、大人になると自由だけど本当に不自由。]
H35cm:W24.8cm
紙、ボールペン、クレヨン、筆ペン(白)
【右】『ice Cube』
[冬のグループ展『雪』をテーマで描いているうちの1枚。アイスキューブて人工的には作れるけど自然にはない物だな。]
H25.3cm:W19.2cm
紙、ボールペン、クレヨン、筆ペン(白)
【作品を描く理由】
私の作品を一言で表すとしたら『チャイルドビジョン』です。
私は自分の視野が狭い事に気がついた時、同時に
チャイルドビジョンというものがある事を知りました。
それは『全ての子供は視野が狭く(水平方向に約90°垂直方向に約70°)
大人になっていくにつれて視野が広がる(水平方向約150° 垂直方向に約120°)』というものでした。
私のインスタグラムの写真が1枚の絵を4枚1組にして掲載しています。
それは私の視野で自分の絵を見た時に見える範囲を表現しています。
W25cmxH35cmの絵の中でも描いている間は私の視野では魚1匹分程度しか見えません。
2匹分を見る為にはで70cm程度、絵全体を把握しようと思うと2m程度離れない全体が見えません。(ちなみに視力は両目1.5です。)
私は子供の目と大人の精神を持っています。
なので絵を描くことで自分の見ている世界や思いを表現したい、
そして「それぞれの人間が違う目を持っている」ということを伝えたい
と思い絵を描き始めました。
私は見ることの出来る視野が極端に狭い、
そして私のパートナーは色弱で赤と緑の区別が付きにくい。
私達は同じ日本人の夫婦でもこれだけ違った目を持って違う世界を見ています。
人間はそれぞれ視力も違うし視野も違います。
さらに私達は人間だからこそ、その時の感情や環境でも見える物の見方は変わってくると思います。
でも私達はそれぞれ自分の見ている世界を当たり前として
物事を見たり考えたりしてしまいます。
そこでもし私の絵を見た人や知った人が、人それぞれ見える世界は違うという事を知り
少しでも身近な人に優しくなってくれたら嬉しいです。
【作品について】
私が使うのはボールペン・クレヨン・筆ペン(白)・紙・水です。それらは子供の頃から身近にある様な画材です。
私がメインで描いている絵は自身の好きな抽象画的な要素と
平面な壁なのに浮き出て見えるグラフィティーアート的な要素を掛け合わせて
絵の中に少し不思議な空間を作ります。
こだわりは背景で
まずは『層』をイメージしたラインを描いていきます。
(『層』選んだ理由としては、人間の体や大地など『層』は全ての物にとって、とても身近だと感じるからです。)
それから絵の裏側からも表の線にそって線を水性ボールペンで描き足します。
そして裏から水を垂らし、少しずつアイロンがけをする事で表側の背景の青がにじみ、
偶然性のある複雑な色々な青に仕上げています。
そこにキャラクター性のある魚を2匹入れることで
男性・女性・それ意外・大人・子供、国籍を問わず
それぞれが絵を見た時の、その時の感情や状況で
自由に感情移入したり、意識を絵の中に持っていってもらえたらと思います。
だからあえて魚に黒目は入れず、どこを見てるか、どんな感情なのかも分からない様に描いています。
タイトルについてはあくまで私が描いた時の感覚なので、
本当はそれを無視して人それぞれ自由にタイトルをつけて欲しいぐらいです。
そしてその背景と魚とカラフルなラインに付けた影で、浮き出る様に立体的にして、目に飛び込んでいる様に見せています。
写真では分かりにくいですが、絵の実物は、水で濡らして急激に乾かした事によって、紙にわずかな歪みが生まれています。
そのため額に入れるとその歪みがある事により、写真だけでは分からない不思議な立体感が生まれるのです。
ぜひ実際にご覧頂けたら嬉しいです。
【Kozの野望】
今回の絵を元に今後自分がやってみたい、実際に見てみたい私のイメージをいくつか書かせて頂きます。
《私の絵をベースにした着物を作ってみたい。》
《私の描いている絵の中に入ってみたい。》
(例・1)
私の魚を大きなバルーンにして吹き抜けのあるkitteの様な開放的なスペースに上から吊り下げます。
そして周りと魚に360プロジェクションマッピングで私の絵の背景のような映像を投影します。
それを下から見上げることで私の絵の中に入り込んだ気持ちになれると思います。
(例・2)
私の魚型の大きな水槽を作り広い空間の中央に置きます。
壁は左官屋さんが作る様な凹凸のある私背景の様な模様。中央の水槽に光を当ててライトのようにしたら
周りの壁には凹凸から生まれる影が生まれ素敵で不思議な空間ができると思います。
(例・3)
真っ白い広い空間の部屋に側面が一面開いた真四角の大きな箱を置きます。入り口から部屋に入った時はただの白い箱です。反対側に回り込むと不思議の国のアリスの様に箱のみっちり詰め込まれた白い魚がいます。人が魚の正面の立ち位置に立った時、人感センサーで部屋全体に私の背景のような模様のライトが投影されます。立ち位置から降りるとライトは消えまた真っ白な部屋に戻ります。
《これは魚とは離れますが私の『見える世界の違いを知って身近な人に少し優しくなれるアート』を現実に作品にしてみたい》
(例えば映像作品で)
東京都内をスタートからゴールを決めて100人ぐらいの人に、全員同じ歩数分だけ順番に散歩の様に歩いてもらいます。(視覚的刺激が多いエリア)
歩く人の中には私のように大人なのに視野が狭い人、いろんな年齢の子供、ベビーカーに乗る赤ちゃん、お年寄り、高身長の大人、低身長の大人、色弱の人、視力のいい人や悪い人、いろんな人の目線の高さで動画を撮ります。
それをパソコンでそれぞれの視野や視力、見え方の違いなどを調節して音楽と共に1人の人が散歩しているように動画で繋げます。
きっと見ている世界の違いに驚く作品になると思います。
これらは、私が見てみたい世界の一部です。
今の私にはこれを実現させる技術も知識もありません。あくまで野望です。
でもこの世界にはこれらが実際に実現できる方たちが沢山いると思うので、今回のメタセコイアをきっかけに色々な方と繋がれたら嬉しいです。
ここまで目を通して頂きありがとうございました。
実行委員コメント
発達障害ADHDの診断を受け、自分の視野の狭さというものをチャイルドビジョンとボジティブに解釈することでアーティストとしての独自性に目覚めたkozさん。掲載された作品は平面作品とは思えない立体感があり、見る人にググッと迫ってくる迫力があります。青いトーンも特徴的だし、モチーフに描かれている魚たちが絵の中で自由に泳いでいるところに生命力を感じます。絵を通じてたくさんの人と繋がっていけますように。