martha

  • 絵画

作品

CV

2004年〜2016年 martha名義で雑貨やアクセサリーの制作と販売
2017年〜2021年 ユニットとして関西のギャラリーを中心に活動。
2021年よりソロ活動を再開。

2022年6月 初個展「わたしのおにわ」igu_m_art(大阪)
2022年6月 公募コンペ「CROSS k.」カフェギャラリーきのね(大阪)ホルベイン賞
2022年9月 「FLAG2022」アトリエ三月(大阪)Twitterオーディエンス賞
2022年10月「アーティスト・ラベル・プロジェクト」gallery yongou(大阪)十旭日賞
2023年1月「Osaka indecompe2023」enoco(大阪)ターレンスジャパン賞
2023年7月 個展「わたしのおにわのなつやすみ」gallery yongou(大阪)

ステートメント・PR

「おまもり」「たからもの」「つながり」「ねっこ」をテーマに、アクリル絵の具をベースとしたスクラッチ技法を中心に制作をしています。
昨年、初めての個展の際、まずは「私とは」を伝えたいと思い、自身が生まれ育った北陸の田舎にある古い家の記憶を題材に、スクラッチ画で描くことを選びました。

スクラッチ画は、下の色をランダムに塗って、上にかぶせた濃い色を引っ掻くことで、線が虹色になる「線で描く」ものも多いかと思うのですが、いろいろ試してみて私は「下の絵もしっかり描く」という方法を取っています。

なので、別に埋める必要も引っ掻く必要もないのですが、敢えて一旦埋めて、もう一度掘り起こすことで見えてくる、世界が一気に変わる瞬間がとても好きで。

暗い中に、見えないけれども何か在る感じ。
引っ掻いた線が暗い中で一筋光って見える感じ。

それは頭の中で思い出す記憶や、夢の中で見る世界に似ています。
生々しく辛かった出来事を一度心の隅に仕舞って、時を経てもう一度取り出した時の見え方にも似ています。
光る引っ掻き傷は、誰かに伝えたいことが伝わったと感じた時、今分かり合えたと感じた瞬間に、体の奥を通るように感じている「光の筋」にも似ています。

私は、アクリル画では細部まで丁寧に綺麗にしすぎてしまう傾向があって、それもとても大切なことではあるのですが、「なにもかもをコントロールし切ってしまう」感覚に対してしっくりこないことが増えてきていた時、こどもの頃に教えてもらったスクラッチ技法のことを思い出しました。
試してみたスクラッチ技法は、下絵とずれたり、クレパスが剥離したり、ニスを乗せた時にヒビが入ったり。
でも、それはそれでいいかな、と思える画材と技法でした。

思い通りにならないからこそ自由になれる。
不自由だからこそ、本当に自由にしたいところが自由になりつつある。
偶然に身を任せることも選べる、私以外の誰か何かがもたらすことを受け入れられる。
それを知っている、それを良しとできる、ということは、とてもとても、自由なことだと思いました。

そしてそれは、いま私がいるこの場において、私が誰かと関わりあっていく時に、ひときわ大事にしていることにも通じているように感じています。
言葉と言葉ではないもの、どちらもなるべく同じ重みで。
それらが紡ぐ「物語」を感じ、思い、考え続けて。
さまざまな「物語」の積み重なりの上にいる、今の私の在りようをあらわし続けるために。
そして、私の大切な人たちの「物語」へも思いを馳せられるようにありたくて。
私は絵を描いているのだと思います。

実行委員コメント

女の子のうつろな青い瞳がほんとうに綺麗ですね。この瞳が作品を見る人を捉えていろんな物語を創造させてくれます。igu_m_artさん、アトリエ三月さんのコンペ、gallery yongouの展示など、大阪のよく知るギャラリー界隈での露出が多い方なので、またどこかの展示でお会いできるかもしれませんね。

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