岡本健作

  • 絵画

作品

CV

3個展『鉄路の下で』―202109:Awaiya Books(大阪)
二人展『鉄と風景』―2021.10:きのね(大阪)
個展『鉄を眺めて』―2022.04:Yongou(大阪)
公募『Osaka Andecompe2022』―2022.01:Tri fold Osaka(大阪)(Gekilin.賞受賞)
グループ展『Hanshin Meets Art 2022』―2022.04:Gekilin.(阪神百貨店梅田)
グループ展『Art!Art!Art!Osaka』―2022.05:Tri fold Osaka(大丸梅田店)
公募展『Cross.K』―2022.06:きのね(大阪)
公募展『Flag2022』―2022.09:アトリエ三月(大阪)
グループ展『Osaka Laugh & Art 2022』―2022.10:Tri fold Osaka(中之島公会堂)
個展『鉄を眺めて』―2023.04:Gekilin.(大阪)

ステートメント・PR

鉄の醸し出すあの独特の雰囲気というのは、近代という時代の雰囲気なのかもしれない。
鉄道駅の柱や、鉄橋の構造体、工場の床など、みな近代産業そのものである。それらの鉄を眺めたとき、そこの歴史の蓄積を感じる。それは近代という時代のおもむきである。
近代とは、機械本位な合理に人間がさらされるという経験である。われわれはこの経験によって酸いも甘いも味わってきた。
それまで太陽と月の運行の中で生活してきた人々は、鉄道が通ると時計が刻む機械の時間を生きるようになった。
自らの手仕事を生業としていた人々は、機械の登場によってそれが刻むリズムで物を生産するようになった。
鋼鉄の近代文明に文化が覆われたとき、先祖代々の生活文化は消え去ったし、血の通った手仕事は工場生産の前にひれ伏すことになった。しかしだからといってそれが悲劇であると一概にいうことはできない。
近代的な機械は人類の新たな相棒として我々の手になじみ、操作する喜びは代えがたいものとなった。呪術的な精神世界からの解放は、革新的なモノづくりと生活を可能にした。われわれは近代の名の下豊かな生活を我々は享受している。近代とは積み重ねてきた文化をすり潰す残酷な時であるとともに、その名のもとに新たな豊かさを享受できるときでもあるのだ。
近代とは人々の生活文化が消え去る悲しみ、寂しさ、残酷さを背負っている。しかしそれと同時に豊かに生活をするという人々の決意と熱意を帯びた時代でもある。両者は混然一体となって近代という時代のおもむきを作っている。
鋼鉄による機械はそんな近代という時代の顔そのものである。
機械は人々を豊かにし、機械を操作する喜びを教えた。同時に、無味に使役される苦痛な時間や、不自然なリズムで動かされる苦痛を覚えさせるものであった。
機械による移動は遠くに行くことができる高揚感を得られるものであったが、同時に人類は疲労という概念を覚えた。また、高速の移動は時に死をもたらす危険さを伴うことになった。
鋼鉄もまた近代という時代と同じように、苦しみと喜びを抱えた存在である。

実行委員コメント

岡本さんの作品は、gekilinやアトリエ三月の公募展で拝見してます。イイノさんが激推しされておられますね。街で見かける朽ちた鉄板をテーマに、色やテクスチャまでもそのまま写しとる絵画は、街で見かける壁をトレースして絵画にする新村葉月さんの作品にも通じるアプローチながら、より物質性、鉄を絵画にする面白さ、マッシブな重厚感があります。こんな絵を描く人は岡本さんだけだと思います。続けてほしいです。より大きな作品を!

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