作品
CV
松井亮達。1992年生まれ。陶芸が盛んな愛知県常滑市育ちで、幼少期から遊びの中でよくろくろを用いた陶芸をしており芸術に触れて育つ。発想力が豊かでものづくりが好きなことから現在の職業は自動車メーカーでの車の開発。
2018年にボーンカービングという動物の骨や牙を削り、身につけるアクセサリーの存在を知り、製作活動を始める。
手先は器用な自負があったが、素材や形状を一から自分で考え、思った通りの作品を作る事はとても難しくボーンカービングの奥深さにのめり込む。
ボーンカービングはポリネシア文化圏に古くから伝わる文化で、釣り針や亀など海を連想させるモチーフが多いことから日本でもサーファーなど海が好きな方に好んで身に付けられている。
骨は動物の種類や使う部位によって色や密度などが違い、磨き上げた時の輝きは千差万別である。また身に付けていると太陽の光や自身の皮脂、汗によって骨が深みのある色合いに変化していく。
日本人ならではの繊細で美しい作品を作れるよう日々努力を怠らず、ボーンカービングの魅力を沢山の方に知って頂きたいという思いで製作活動をしている。
ステートメント・PR
生命の歴史を一つの作品に込める。
花は種から芽を出し、蕾となり花を咲かせ、種を落とし枯れ、落ちた種からまた芽が出る。
動物は生まれて、成長し、子を産み、子孫を繋ぎ、死して土に還った肉体も木々を育てる。
この世界は太古から同じ連鎖の繰り返しである。
しかしその一つ一つの連鎖には、それぞれ違った命の物語がある。
その物語は地球史から見たら一瞬の出来事だが、儚くも激しく、命の輝きを灯す。
その儚い光に私は美しさを感じる。
私は動物の生きた証を削ることで一瞬の輝きを表現し、それを身につける事で時間とともに色味が変わっていく様は生命の歴史の流れを表している。
そして完成した作品は長きにわたり生命が持つ美しさを放ち続ける。
人は一瞬一瞬の尊さを頭では理解していても、日常生活の中で自分がこの世に生きている尊さをつい忘れがちである。
私の作品を身につける方や鑑賞者が目で見て、触れることにより「命」を感じ、この世界の、自分の人生の尊さを考えるきっかけになることを願っている。
実行委員コメント
動物の骨や牙を削ってつくるボーンカービングというアートは、スピリチュアルであり、ストリート感も感じさせてくれて、とてもかっこいいですね。アクセサリーに取り付けてある紐のデザインまでこだわっていて、工芸品としても完成度が高いです。アクセサリーというジャンルから超えて、アートとしてのサイズ感、オブジェ的なものに発展していく可能性はあるのでしょうか。これはもう完成されていると思うので他ジャンルとのコラボや新展開に期待したいです。