柴田早理

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ウェブサイト

https://sarishiba.studio.site/

作品

CV

【略歴】
1994年 富山県生まれ
2017年 立教大学現代心理学部を卒業
2017年 Yahoo!JAPANに入社
2022年 Yahoo!JAPANを退社、合同会社linostudioを共同設立

【受賞】
2022 2nd BANSHAN PHOTOGRAPHY AWARD審査員特別賞受賞
2022 公益社団法人 日本広告写真家協会 APA アワード 2022入選

【個展】
2022 「On the beach」BANSHAN GALLERY(東京)

【グループ展】
2021 美学校アートのレシピ 2020年度修了展「花が散るとき」美学校本校(東京)
2022 美学校建築大爆発 2021年度修了展「ありの手からはじめる」美学校スタジオ(東京)
2023 「KG+ 2022年PHOTOBOOK AS OBJECT 成果発表展【第二期】」RPS京都分室パプロル(京都)

【雑誌掲載】
2022 「季刊『秋刀魚』第36期 〈夏之海〉」(台湾)

ステートメント・PR

「Anthropocene Plastics」


私は日本の離島でキャンプをしながら作品制作をするという生活を続けています。その中で私はプラスチックが自然の力によって自然物のように変形しているのではないか、という小さな疑問を持ちました。

浜辺を歩きはじめて2年目に、その確証となる漂流物を見つけました。それは波に揉まれて珊瑚のような質感に変化したブラシの柄でした。大量生産品として世に生まれた時にはつるつるとした表面を持っていたであろうものが、削られ、一面に無数の小さな穴が空いていたのです。まるで海中の生き物として呼吸をし、酸素を取り込んでいたかのようでした。

また、海沿いでは溶けたプラスチックが石のような形に変化したものをたまに見かけます。そのプラスチックで出来た石は、宝石の原石や溶岩石などの鉱石と非常によく似ており、プラスチック製なのか自然物なのか、もはや見た目では見分けることができません。

プラスチックの材料である原油は、太古の生物が海底に沈み積もり、地熱や強い圧力によって変化したものだとされています。これを人間が掘り出し、プラスチックという素材に変え、使用し始めました。今では無尽蔵に海を漂い荒らしているプラスチックは、まるでもういちど自然物になろうとしているかのように、ときには鉱物、ときには昆虫のように変形しています。人間と地球の二つの力によって生み出されたそれらは、人の手がつくり出した人工物でしょうか、それとも地球が削り出した自然物なのでしょうか。

プラスチックの石や生き物たちは、人間の活動が地球上の生態系や気候に大きな影響を与えている地質学的時代、「人新世(Anthropocene)」を象徴します。私はこの興味深い現実を伝えるために、プラスチックの「plastic」(=形を造る、可塑性の、柔軟な、感受性の強い、人工的な、不自然な)な姿を、写真に収め、集めました。

実行委員コメント

離島でのキャンプがきっかけで、海洋ゴミをテーマに作品を製作されておられるという柴田さん。サイトを見せてもらいました。浜辺に打ち寄せられるプラスティックのゴミをオブジェのように並べて撮影した「On the beach」シリーズが秀逸です。美しい現代アートを見ているようで、今世界的な問題ある海洋プラスティック問題を想起させるそれはヨーガンレールの照明アートに通じる美しさです。何かコラボできるチャンスを探りたいです。

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